心と体は切り離せません。
心も体も元気で過ごすためにも、ちょっと変だな、と思ったときには早めに診断を受けることをおすすめします。
カウンセリングだけで症状が軽くなるもの、病院での治療が必要なものもあります。
どの方法にしても、あなたの元気を取り戻すことが大切なのです。
私たちは毎日、何かしらの刺激を受けながら生活しています。これは生きていく上で避けられません。
外からの刺激を受けると、私たちの心と体の中で”歪み”が生まれます。この変化がストレスといわれるものです。
すべての人にストレスが生まれるわけではなく、ストレスをためやすい人には特徴があります。
・常に完璧をめざすため、何をやっても満足した気がしない
・何もしないでいると罪悪感を感じる
・何でも自分でやらないと気がすまない
・毎日気がせき、プレッシャーを感じている
・真面目で周りに気を使う
・早口でしゃっべたり、食べるのも歩くのも速い人、などです。
ストレスは悪いものばかりではなく、慶び事である結婚や出産、入学、またやりがいや生きがいを感じることなど、人生に適度な刺激を与える良いストレスもあります。
しかし、悪いストレスを多く受けると心に負担がかかり、体にもさまざまな症状が起きはじめます。
更に考え方のクセや性格、育ってきた環境も影響してきます。
心と体に現れる症状の例を紹介してありますので参考にしてください。
神経症といわれ、心因を要因とする精神障害で、不安を中心とした症状があります。
性格や生活している環境が大きく影響し、その症状により日常生活にも支障をきたすものです。
■強迫神経症
自分の行動や考えが、無意味なことだとわかっていても止められず、同じ行為をくり返し日常生活にも支障をきたすものです。
たとえば、
・汚れが手についているという考えが頭から離れずに何度も手を洗い続ける。
・出かける時に鍵をかけたか、窓をしめたか、電気のスイッチは消したか、ガスの元栓をしめたか気になって何度も確認し続ける。
こうした自分の行為をやめたい、やめようと努力すればするほど気になります。やめるとひどい不安状態になり、同じ観念が限りなく続いて日常生活にも影響を及ぼします。
更にこのような行動や考えが、自分自身から発したものであるということがわかっているだけに苦しみます。
こういう症状が強い場合は、カウンセリングの他に病院での治療が必要だと考えます。
不眠、頭痛、肩こり、食欲不振などの身体症状があらわれる場合もありますが、発症の要因は、まだはっきりと解明されていません。
強迫神経症の人は、感情や気持ちがなかなか表に出てきません。
強迫神経症の人にとっては、不安を感じなくてすむ、安全や安心を確保することが最も重要なことになると思います。
■恐怖症
特定の環境や状況に対して過度な恐怖を感じるもので、恐怖の対象によりいろいろな形態があります。
●社会恐怖(対人恐怖)
社会や状況、人に対して恥ずかしい思いをしたくないという恐怖のことで、他人と一緒にいると不安や緊張を覚えます。社会行為に対して強い恐怖心を持ち、症状が悪化すると状況依存性のパニック発作を生じることもあります。
・赤面恐怖(人前に立つと顔が赤くなる)
・視線恐怖 (人の視線が気になる、見られているように感じる)
・醜形恐怖(自らの容姿にコンプレックスをもつ)
・自己臭恐怖(自分の体から変な臭いが出て、周囲に不快な思いをさせていると悩む)
●広場恐怖
人混みなど、簡単に助けを求めることができない場所や状況に対して強い恐怖を持ちます。大勢人が集まる所や行ったことのない場所へひとりで出かけるのが恐くなってしまいます。
また、パニック発作を起こした人は、今度はいつ発作が起こるのか、起きたらどうしようかと恐怖を感じ、発作が起きたときに頼れる人がいない場合を考え不安になります。
不安になる例として、人混みの中、自動車や電車での移動、美容院での時間、家屋に一人でいるなどが挙げられます。スーパーマーケットのレジの長い列に耐えられなかったり、逃げられない場所や状況にいることへの不安、一定の時間の拘束に耐えられません。
●特定の恐怖症
明らかに特定の対象や状況に対して感じる恐怖のことで、恐怖に関連するものを意図的に避けようとします。
症状として、恐怖や不安とともに動悸、脈拍の上昇、状況依存性のパニック発作を起こす場合もあります。
・動物恐怖(犬やゴキブリなど、動物や昆虫を恐れる)
・高所恐怖(屋上や飛行機に乗れないなど、高い所を恐れる)
・疾病恐怖(感染症や癌にかかっていると恐れる、死の恐怖におびえる)
・閉所恐怖(エレベーターや電車、バスなどに乗れない)
・不潔恐怖(よそのトイレに行けない、ドアノブに触れない、他人の鍋をつつけない)
恐怖症の治療法としては、薬物療法や認知行動療法、暴露療法(あえて恐怖の対象になるものや事に直面させ慣れていく)などがあります。
■不安神経症(パニック障害)
不安とは心が落ち着かない状態のことですが、まずはじめに不安が生じます。
不安になる心当たりもないままに生じてきて、その不安は非常に強く耐えがたいものになります。身体も緊張したり震えたりし、息苦しくなったり呼吸が乱れたりと、身体にもさまざまな症状があらわれます。
自律神経症状として動悸、寒気、冷や汗、手足の冷え、口の中がカラカラに乾いたり、ノドがつまる感じがしたり、胃腸の働きが悪くなったりします。
不安には、急性不安と慢性不安があります。
急性不安は発作としてみられ、パニック発作と呼ばれるもので、やがて慢性不安へと続きます。
不安神経症は、パニック発作ではじまることが多いといわれています。パニック発作は、いきなり生じる発作で、息苦しくなって呼吸が乱れたり、激しい動悸がして死への不安を持つこともあります。
慢性不安は不安な状態が続き、その不安がいつから始まったのかはっきりしないものです。なんとなく具合が悪い状態が続いたり、胃腸の具合が悪くなったり、頭が重く感じたり、強い不安感はないが体の調子が良くない状態が続きます。健康への自信がなくなり、気持ちも落ち込みます。
不安神経症の原因は、暮らしの中でのストレス、ものごとを気にしやすい性格も一因だと言われています。
治療法としては、薬物療法や認知行動療法などがあります。
■パニック発作の過換気症候群(過呼吸)
発作の起きる原因も思い当たらないままに、いきなり発作が生じます。
強い不安に襲われて、呼吸が乱れはじめ、しらずしらずのうちに息を吸いすぎ、血液中の酸素の量を増やしてしまいます。 それが中枢神経系を刺激し、いっそう不安をかきたてます。
息苦しさ、めまい、動悸、手足のしびれ、嘔吐感、けいれんなどの症状が起き、ひどい時は、意識を失うこともあります。
発作は数分ほどでピークに達し、約60分以内に自然におさまりますが、不安の強い人では数時間続くこともあります。発作が治まれば元の状態にもどりますが、死への恐怖を残したり、心臓病の不安を持ったり、強い不安感を示します。
身体的要因として、激しい運動、入浴、発熱、注射など
心理的要因として、恐怖体験、日常生活でのストレスなどが考えられます。
発作時の対応としては、紙袋やビニール袋内呼吸、自分の両手で口と鼻を覆い、その中で呼吸をします。あわてずに、冷静に対処することが大切です。
■抑うつ神経症
抑うつ症状が主体で、心の葛藤によって起こります。
両親、配偶者、恋人との別離、職場、住居からの移動など、対象喪失という、対象を見失うことで発症することが多いものです。性格にも起因するといわれます。
症状は、気分が滅入って沈んだ状態になり、悲壮感、興味の喪失、思考が停止(考えが先に進んでいかないこと)意欲低下、不眠、食欲低下など、何もする気になれなくなります。
身体症状としては動悸をともない、また自分の思いを聞いて欲しいという気持ちも強く持ちます。
治療法として、薬物療法や認知療法、行動療法など。家庭内、家族にストレス因がある場合は、家族療法も必要となります。
■PTSD(心的外傷後ストレス障害)
すさまじい体験や恐怖がトラウマ(心の傷)になって、日常生活に支障を与えるほどの極度のストレスになっている状態です。
ストレスの要因として 、死と隣り合わせの恐怖、戦争、犯罪、交通事故、性的暴行、火災、自然災害の地震、台風、落雷などがあります。
これらは、自分だけでなく他者が体験したのを目撃したり、その状況に直面した場合も同様です。
症状として、恐怖の体験が思い出されるフラッシュバック、似たような状況を避けようとする回避、情緒不安定、無気力、悪夢などがみられます。また、同じ状況で他の人が生存できなかった時に、自分だけ生き残ったという罪悪感を持ち苦しむこともあります。

気分障害は、感情に特徴的変化を示す病気です。
■うつ病
気分障害といわれ、気分がひどく沈んでゆううつになるうつ状態と、気分が高揚しひどく活発になる躁状態があります。うつ状態だけ、あるいは躁状態だけを示すタイプ、うつと躁状態がくり返しあらわれるなどさまざまな組み合わせがあり、病気の期間の長さや症状も違います。
・うつ状態(うつ病)の症状
憂うつな気分となり、興味や関心が失われていき、何をしても面白くなくなります。無気力状態となり、表情は暗くなり口数も減ります。考えがまとまらなくなり、決断するのにも時間がかかるようになります。何もしたくなくなり、仕事の能率も低下し休みがちになり、外出や人との接触を避け部屋に閉じこもります。将来に対して、悲観的、絶望的な考えを抱くようになったり、過去のことを後悔したりして自責の念にかられ、自殺を企てたりします。自分の価値を低く評価した内容の妄想や被害妄想を抱くこともあります。
気分は朝方の方が一般に悪く、夕方には多少回復します。早朝の暗いうちに目覚め、その後眠れなくなり、いろいろなことを考えはじめ苦しみます。
その他にも食欲減退、 性欲減退、体重減少、便秘、月経異常、疲労感などの症状があります。
病院、専門家による正しい診断と適切な治療が必要で、薬物療法と共に、ゆっくりと休養することが大切です。
さまざまな体の症状と女性の病気
■メニエール病
回転性のめまいとともに、難聴と耳鳴りが起き、めまいがおさまると難聴と耳鳴りも軽くなります。
難聴と耳鳴りを伴った回転性のめまいを繰り返します。めまいは数十分から数時間続くこともあります。
過労やストレスも原因のひとつとされますが、はっきりとした原因はわかっていません。
■過敏性腸症候群
ストレスが原因となって小腸や大腸に異常が生じる疾患です。
症状の現れ方によって、4つにわけられます
@不安定型 (交代性便通異常 腹痛や腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れます)
A慢性下痢型 (ストレスや不安を少しでも感じると下痢を引き起こします)
B分泌型 (強い腹痛のあと、大量の粘液が排泄されます)
Cガス型 (過剰なストレスによっておなかにガスがたまる症状と考えられています)
■月経前不快気分障害
月経が始まる前になると、いらいらしたり頭痛などの症状が現れますが、月経が始まって2〜3日すると症状は消失します。
こういう状態が毎月繰り返され、症状が重い場合は日常生活にも支障がでます。程度の差はあっても、多くの女性が体験しています。
身体症状として、頭痛、むくみ、乳房の痛みや張り、腹痛、腰痛、関節痛など
精神症状として、情緒不安定、抑うつ、不安、倦怠感、食欲不振、睡眠障害など
原因は特定されていませんが、心理的ストレスや性格も一因とされています。
更年期といわれる50歳を中心とした前後4〜5年間の頃に、体や気持ちの不調を訴えるものです。
■更年期障害
女性の場合は、50歳を中心とした前後4〜5年間で、閉経が起こり、体の不調や精神的不調が起きやすくなります。
身体的要因として、卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌が減少するため、女性ホルモンのバランスが乱れ、自律神経の働きや感情に影響を与えます。
社会的要因として、女性をとりまく環境の変化があります。子供の進学、就職、結婚などで子供が親元を離れ、子供中心であった場合は、生活の目標を失います。また、夫の定年退職、肉親との別れ、夫婦関係の不安定さなどがあります。
症状は、約半数の女性にみられ、程度や期間は個人差があります。
「ホット・フラッシュ」という、気温とは関係なく突然上半身がカーッと暑くなる、のぼせと発汗。頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛、手足の冷え、冷汗、食欲不振、トイレが近い、性交痛、いらつき、倦怠感などがあります。
■空の巣症候群(からのす症候群)
子供の巣立ちや夫が単身赴任や仕事、趣味などで家庭に不在がちとなり、それまで忙しくても充実感を感じていた家庭が空になってしまい、空虚感や孤独感を感じてうつ状態になってしまう場合をいいます。
■更年期うつ病(初老期うつ病)
イライラしたりクヨクヨ考え込んだり、気分が落ち込んだりし、精神と身体の両面に症状が現れます。
気分が晴れない、滅入るなどの抑うつ気分が基本となり、さまざまなことに強く不安を持ち、いてもたってもいられない状態になります。考えや話がまとまらなくなったり、自分を非常に責め自殺へと追い込みやすくなります。食欲不振になり、体重も減少します。
うつ病になりやすい性格としては、責任感が強い、仕事熱心、勤勉、几帳面、凝り性、正直などがあげられます。
発症の誘因として、近親者の死や病気、家庭問題、経済的問題などがあります。